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日系ハーフ三世・大家族を装え!(第一話)


~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!

~テッテレテ、テーレレ~・・・



おいら日系ハーフ三世オルガ・ススム、人呼んでオルガ三世!

今日もいとしの峰子ちゃんからメールがあったんだ。

珍しく迎えに来てくれるらしいんだけど、よく考えてみりゃ当然だよね。

おいらの愛車ボルボ13は、この間峰子ちゃんが乗っていったきりなんだ。

いくら中古車だからって、返してくれないなんてあんまりだよ。警察に被害届けを出すわけにもいかないしね。

だっておいらは国際指名手配されてんだぜ!

今日こそご褒美と一緒にボルボ13を返してもらうんだ。

あっ、峰子ちゃんが来たぞ。合図のクラクションが鳴っている。



「おーい、わかったからもうクラクション鳴らすのやめてくれよ!」

峰子ちゃんは気が短いんだ。おいらが出てゆくまでずっとクラクション鳴らしっぱなしにする気だ。

少しは近所の迷惑も考えてくれないかな。

「遅いわよ、オルガ!」

車のところまで行くと、彼女はやっとクラクションを鳴らすのをやめてくれたんだ。

「峰子ちゃん、近所の人に迷惑だから、クラクションは一回でいいよ」

「あんたが外に出て待ってないからいけないんでしょ。今度から気をつけなさい!」

「はい・・・」



見ると助手席にはもう一人乗っているぞ・・・。

「やあ、オルガ。久しぶりだな」

燕尾服にシルクハットをかぶっているのは、仕事の仲間であり峰子ちゃんのご褒美を狙うライバル、ジネン大作だ。

彼はフランス生まれのハーフで、一緒に峰子ちゃんの指令を受ける仲間というわけ。

ジネンもおいらと同じく国際指名手配されてるんだけど、その罪はおいらとはちょっと違ってるんだ。

置き引きをやらせたら天下一品の腕前で、今まで一度も捕まったためしがないのさ。

いつも黒い燕尾服を着てダンディーを気取ってるけど、小さい頃はおいらと同じく貧乏で苦労した身の上らしい。

「オルガ、また失敗したんだってなあ・・・」

ジネンのやつは、青い瞳を細めながらニヤニヤ笑っている。

「おいら失敗なんかしちゃいないよ。うまく逃げたから大成功ってわけ」

「何言ってんのよ、たった20枚しか持ってこなかったくせに」

相変わらず厳しいね、峰子ちゃんは。



「峰子ちゃん、今日はどこへ行くんだい?」

「スーパーへ行くわよ。最近出来た大型の店、よくCMやってるでしょ」

「へえ、そんなところで晩御飯のおかずでも買うのかい?」

「あんた馬鹿じゃないの!そんな安っぽい店でお金使うわけないじゃない。今日は割り箸をいただくのよ」

峰子ちゃんはお金持ちのくせに、ちょっぴりケチなんだ。

大富豪の令嬢という立場を利用して、おいらたちを巧みに操って喜んでいるのさ。

給料だってくれるんだぜ!

それなのに、指令はいつもケチな仕事ばっかり・・・。

ホントはそんなことに付き合いたくないんだけど・・・。仕方ないよね、惚れた弱みってやつかな。



おいら、気づかれないように彼女の長い髪の毛にそっと顔を近づけたんだ。

後ろなら気づかれないもんね。これだけはタダで楽しめるからさ・・・。

「バックミラーに写るんじゃねーよ、このタコ!」

これまた峰子ちゃんにはお見通しだあ。でも、その瞬間にこっそり鼻で息を吸ったのさ。

むせ返るくらいの煙がおいらの鼻に入り込んできた。

そんなおいらを邪魔するようにジネンのやつが思い切りタバコをふかしやがったんだ。



*(第二話)に続く
2016/07/14 09:56|日系ハーフ三世TB:0CM:0

日系ハーフ三世・大家族を装え!(第二話)


~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!


スーパーの駐車場へ着くと、和服姿の男がじっと腕を組んでこちらを見ていた。

そう、こいつもおいらたちの仲間、蜷川三衛門だ。

日本生まれの日本育ち、侍をこよなく愛するスリの名人なのさ。

峰子ちゃんの指令を受けて、ここでずっと待っていたんだろうな・・・。

「さすがサンエモンね、誰かさんとは違ってちゃんと待ってるもんね・・・」

峰子ちゃんはそういっておいらを睨んだのさ。あきらかにいやみだよこりゃ。



「サンエモ~ン、待たせちゃってごめん。チュッ!」

車を降りたとたん、峰子ちゃんが三衛門にぶちゅうしたんだ。ちきしょう、なんであいつだけご褒美もらえんだよ。

おいらとジネンは顔を見合わせて悔しがったさ。

おや、三衛門の様子がおかしいぞ・・・。

「おい、見ろよジネン。三衛門のやつ袴膨らませてるぜ」

「あははは、顔も真っ赤だし」

三衛門は股間の膨らみを隠すために前かがみになったんだ。まるでデス・ノートの「L」みたいな格好だよ。



「して、今日の指令はなんでしょうか?」

前のめりになったままの三衛門は、まだ指令の内容を聞いてなかったらしい。

「このスーパーで一仕事してもらうわよ。家の箸がなくなったから調達して欲しいってわけ」

「峰子ちゃん、割り箸使ってんのぉ?」

おいらが不思議そうにたずねると、彼女は怒りながら答えたんだ。機嫌悪いのかなぁ・・・。

「洗うのって面倒くさいでしょ。第一手が冷たくなるの嫌なのよ!」

彼女はいつもコンビニ弁当でも食べているのだろうか。お金持ちの癖に、おいらと大して変わらないもの食ってんだなぁ。

実家に帰れば召使いさんもいるだろうに・・・。



「さんえも~ん、今回はお前の出番はなさそうだな」

おいらがそう言ったら、三衛門のやつ睨んできやがった。いつの間にか背筋も伸びてるし。

「オルガッ!あんた何仕切ってんのよ!!」

ビシィッ!

横から峰子ちゃんのビンタが飛んできた。真横からだと張り手みたいで痛いんだよ、すごく。

でも、おいらにゃこれが愛の印だってことわかってんだぜ、峰子ちゃん。

「今回は大仕事だから、それぞれ分かれてもらうわよ。いーい?」

「はい!!」

思わず三人で声を合わせちゃった。さすがに横ビンタの後だからね・・・。



「今回はそれぞれ別な場所で行動してもらうことになるの。まずはジネン、あなたはスーパーの倉庫に潜入すること」

「アイアイサー!」

「そこに段ボール箱に入った割り箸があるから、いただいてくること」

「で、何箱くらい持ってくりゃいいのかね・・・」

「ばーか、箱ごと持ってきたら怪しまれるに決まっててんでしょ!」

「うへえ、ごめんよ」

ジネンはビンタを恐れて首を引っ込めている。

「段ボール箱を開けて、中から一袋抜き出すのよ。取った後はちゃんと元通りガムテープ貼っておくのよ。いーい?」

「わ、わかりましたぁ」

「わかったらさっさと行きなさい。次が控えてるんだからね!」

というわけで、ジネンはさっそく倉庫に向かったってわけ。

でもね、その現場には必ずおいらたちも動向させられるんだ。心配性なんだね峰子ちゃんは。

しかし、今日の峰子ちゃんの衣装はレオタードだよ。もうパッツンパッツンで胸がはちきれそうなのさ。

先端のポニョだって十分に確認でき・・、

ビシィッ!!



*(第三話)に続く
2016/07/22 09:02|日系ハーフ三世TB:0CM:0

日系ハーフ三世・大家族を装え!(第三話)


~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!


おいらたちはジネンと一緒にスーパーの裏にある大きな倉庫に忍び込んだんだ。

もっともここは、日中なら店員やらアルバイトやらが忙しげに仕事をしているから、うかつな行動はできないってわけ。

峰子ちゃんが用意してくれた作業服に着替えて、掃除するふりをしながらジネンの仕事を見てたのさ。

国際的なプロ集団だから変装だって完璧だよ。ジネンのやつもカラーコンタクトを入れて日本人のふりしてるもんね。

でも、燕尾服とシルクハットだけはそのまんまだから嫌でも目立っちゃうんだな。



「あんた誰だ?」

そりゃあの格好見たら誰でも不審に思うだろうさ。

「私は政府から来ました。輸入品の不祥事が相次いでますので、こうやって抜き打ちで調べに来ているのです」

「ああ、これは失礼しました。外務省の方でしたか・・・」

「いやあ、ばれちゃいましたかな。はっはっは」

ジネンの演技はいつ見てもすばらしいよ。あれで峰子ちゃんからぶちゅうをもらったこともあるくらいだからね。

おいらにゃとても真似できない演技さ、悔しいけど・・・。

「どうぞ存分にご覧くださいませ」

スーパーの店員を前にして、キョロキョロと辺りを見回すジネン。

「ここに割り箸があると思うのですが・・・」

「ああ、それならそこに山積みになってますよ」

店員が指差した先にはモップを持ったおいらがいたのさ。びっくりして小便ちびりそうだったよ。

おいらたちがいるすぐ後ろにダンボール箱は置いてあったんだ。

「これは全部中国製ですね?」

「はい、東京の商社を通して購入したものです。ちゃんと輸入審査は受けているはずです」

「では少しだけ調べさせていただきますよ」



すぐに終ると思ったのか、店員はずっとジネンの側を離れようとしない。

こんな時においらが役に立つってわけなのさ。

バケツに汲んだ水を少し離れたところでぶちまける。

「ありゃぁー、やっちまっただぁ。誰かあ、助けてくんろー!!」

一際大きな声で叫んだから、店員も慌てて駆け寄ってきた。

おいらは両手を腰に当て「今がチャンスだ」の暗号を送る。左右に二回ずつ腰を振ればブロックサインの完成さ。

ジネンはダンボール箱を開けて中から一袋だけ出し、それをシルクハットにしまい込む。あとは用意しておいたガムテープでもう一度ふたをすれば完了だ。

峰子ちゃんがオッパイを両手でゆすって「ずらかるわよ!」のブロックサインを送ってきたぞ。

よおし、うまくいったぞ!



「ところで、あなたはどこの方ですか?うちは清掃業者を頼んではいませんが・・・」

峰子ちゃんたちはとっくに逃げてしまってる。こりゃあ困った、おいらだけおいてけぼりかよ。

「だっておいら、日系ハーフさ~んせ~い!」

あごに指を当ててお決まりのポーズを取ると、店員はポカンと口を開けてしまったよ。今がチャンスだ!!

おいらの逃げ足は誰よりも速いから捕まりっこないのさ。

チーターばりのすばやいダッシュを決めて、見事にその場を乗り切ったんだ。

このスピードは、たとえオリンピックの選手でも追いつけはしないだろうね。

こんなおいらを捕まえれると信じているのは、世界でたった一人のおっさんくらいかもね。



*(第四話)に続く
2016/07/28 09:34|日系ハーフ三世TB:0CM:0

日系ハーフ三世・大家族を装え!(第四話)


~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!


見事にピンチを逃げ切ったおいらに峰子ちゃんからのぶちゅうはなかったよ。

ジネンは褒められたみたいでニコニコしていやがる。まさかぶちゅうまでゲットしたんじゃあるまいな。

前かがみになっていないところを見ると、どうやらぶちゅうまではもらえなかったらしい。

だって、あの時おいらがいなかったら作戦は失敗してたんだからね。



「峰子ちゃん、うまくいってよかったねえ」

「何いってんのよ、あんた帰ってくるのが遅いわよ。私のブロックサイン見落としたんじゃないでしょうね!」

あんな巨乳を揺さぶるサイン、誰が見逃すもんか。

「だって、清掃業者を雇ってないって言うから困っちゃって・・・」

「ふん、相変わらずアドリブの利かない男ね」

「でもうまく乗り切っただろ、ご褒美の・・、」

「さ、次は三衛門の番よ、しっかり頼むわね」

彼女はクルッと向きを変えて三衛門に話し始めちゃったよ。

「わかったでござります。して、私は何をすれば・・・」

「あんたはね、店内の割り箸売り場へ行ってもらいたいの。そこで売られている100本入りの割り箸の袋から一本ずつ抜き取るのよ」

「峰子ちゃん、なんだったら一袋いただいてきましょうか?」

ビシィッ!

「そんなことしたら犯罪でしょうが!!」

さっきぶちゅうをもらったばかりの頬にビンタが飛ぶ。

「一本ずつなら間違って抜け落ちたってことですむじゃないの。それをあんたは拾っただけ、わかるぅ??」

「はい・・・」



峰子ちゃんは犯罪かそうでないかの区別がよくわからないみたいなんだ。

その辺の境目をゲームのように面白がっているみたい。でも、おいらたちは従うしかないんだけどね。

「割り箸の袋は全部で30あるわ。だから30本になるってことよ、くれぐれも一袋から2本とったりしないでよね!」

「イエッサー!」

「じゃあ、私たちも作業着に着替えて出かけるわよ」

「あのう、この作業着はさっきも使ったからバレバレだと思うんだけど・・・」

まさかさっき逃げてきた格好じゃいけないよね。

「今度はこれに着替えるのよ!」

と、彼女が出したのは警備員のユニフォームだ。これならかっこいいぞ!



三衛門を除いたおいらたちはみんな警備員に早変わりしちゃったんだ。

しかし、峰子ちゃんのミニスカートには参っちゃうよ。短すぎて、ぱんてーがはみ出てんだもんなあ。

こりゃあ見るなって言う方が難しいよね。ああ、たまらないよう!

そんなわけで、おいらたちは自然と前かがみでスーパーの店内へ向かったのさ。

おいらたちを挑発するのはやめてくれよ、峰子ちゅわぁーーん!



*(第五話)続く
2016/08/06 09:06|日系ハーフ三世TB:0CM:0

日系ハーフ三世・大家族を装え!(第五話)


~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!


三衛門は一人で別行動だったけど、おいらたちも警備員の格好だからくっついてるわけにもいかなかったんだ。

みんな分かれての行動だったけど、それぞれ三衛門の見渡せる場所にいたってわけ。

おいらたちにはブロックサインだけが合図だからね。それを見逃しちゃ逃げ遅れちゃうよ。

おいらは中央の通路で他の人が入ってこないように見張ってたのさ。

三衛門のいるコーナーの端にはには峰子ちゃん、その反対側のレジ方向にはジネンが見張ってる。



三衛門は手際よく袋から一本ずつ割り箸を抜いている。でも、これはかなり時間がかかりそうだぞ。

あっ、向こうから主婦らしき人が歩いてくるぞ。こりゃあ大変だ。

おいら両手を広げてコーナーを見せないようにしたんだ。だって三衛門が仕事してるんだから・・・。

「あ、ここは今工事中だから入れませんよ」

主婦のおばさんは怪訝そうな顔で通り過ぎて行ったよ。でも、これで一安心さ。

レジの方からジネンもやってきた。心配しなくても大丈夫なのにね。

「おい、オルガ。今あの女性になんて言ったんだよ!」

「工事中だって言ってやったよ。仕方ないだろう、三衛門が仕事してんだから・・・」

「開店中に工事なんかするわけねえだろ!あのおばさん不思議がってレジまで聞きに来たぞ」

「もうすぐ終るから大丈夫だよ、ほうら峰子ちゃんのサインが出てるって」

胸を揺さぶる峰子ちゃんの姿は、明らかに人目についた。だってパンツ丸出しなんだもん当然だよね。



「よし、じゃあ逃げるぞ!」

おいらとジネンが逃げようとした時、後ろからジャラジャラと音がした。

見ると、三衛門が着物の袂に入れた割り箸を落としちまったんだ。まったくこんな大事な時に・・・。

「こりゃ失敗だな、怒られるぞー!」

そう言ってジネンは走り始めたんだ。

しかし、落とした割り箸を拾いながら泣きそうな顔をしている三衛門を見捨てるわけにはいかないよ。

ただでさえ目立つ和服姿に、客たちが集まり始めちゃってるじゃないか。

峰子ちゃんに連絡を取ろうとしたが、もうその姿は見当たらなかったんだ。

「オルガァ~・・・」

三衛門はかすれるような小さい声でおいらに助けを求めてるじゃないか。

おいら、三衛門の近くまで行って割り箸を拾ってやることにしたんだ。警備員の格好だから客たちも不振には思わないだろうしね。

「お客様どうされましたか」

警備員らしい的確なセリフを発しながら、三衛門の割り箸を拾ってあげたんだ。

「・・・・・・」

テンパっちまった三衛門から返事はなかった。困ったやつだ。

「はいこれで全部拾いましたよ。もう落とさないでくださいね」

三衛門は長い髪をかきあげるしぐさを見せる。「ありがとサンキュー」のブロックサインだ。

ここで走って逃げては帰って怪しまれるから、おいらたちはゆっくりと出口に向かって歩き出したんだ。



「オルガ、おかげでなんとかピンチを乗り切れたようだ。かたじけないでござる」

三衛門がつぶやいた時、出口付近で待っていたのは通行止めを食らわしたあのおばさんだった。

しかもその隣には本物の警備員がいるじゃないか!

「この人が工事中だといったんですよ!」

おばさんは私に指を突きつける。まるでおいら犯罪者じゃないか?

三衛門はそ知らぬ顔でそのまま店を出て行ってしまった。

「その服はわれわれの着ているものと少し違うようだが、どちらの警備会社か教えてもらえますか?」

さすが本物は違う。ちゃんとポイントをついた質問でおいらをやり込めようとしているぞ。

おいら必死で胸につけられた文字を読み始めたんだ。なになに・・・、ってこれ英語だよ。

こんなの読めるわけないじゃん!!

「だっておいら、日系ハーフさ~んせ~い!」



おばさんと警備員がびっくりした隙をついて走って逃げたんだ。

逃げ足だけは誰にも負ける気がしないからね。まったくおいらの役はいつもこんなのばかりなのさ。



*(第六話)に続く
2016/08/17 09:27|日系ハーフ三世TB:0CM:0

日系ハーフ三世・大家族を装え!(第六話)


~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!


駐車場に停められたおいらの愛車ボルボ13。そこにはみんなが待ってたんだ。

「いやあ、危なかったよ。まさか本物の警備員が現れるとはなあ・・・」

今回ばかりは危機一髪だったてこと感じてるようだ。みんな黙ってしまっている。

だけど、みんなおいらの活躍に満足してくれているんだろうな。

「オルガ、ちょっとこっちへ来てちょうだい」

運転席の峰子ちゃんが呼んでいる。今度ばかりはぶちゅうはいただきだぜ、わりいな三衛門、ジネン!

ビシィッ!!

今日もまたビンタかい峰子ちゅわぁーーん。おいらこんなに活躍したってのに・・・。



「あんたがあのおばさんに『工事中です』なんて言うから怪しまれちゃったんじゃないの!」

「だって、あの場合は仕方なかったんだ。だって、だって・・・」

ビシィッバシィッ!!

「男のくせにごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ。ほうらさっさと謝りな!」

「ご、ごめんよ峰子ちゃん」

「・・・ったく、今度はあんたの番なんだからね。しっかりやんなさいよ!」

「えっ、まだこの店で仕事するのかい?やばすぎるよー」

峰子ちゃんは顔色を変えずにまだおいらを睨んでる。ひえぇーー。

「な、そうだろジネン、さんえもん!」

いくら同情を誘ってもこいつらは顔も向けてはくれないのさ。きっと峰子ちゃんに言われてんだよ。

「オルガ、そんなに私の言うことが聞けないっていうの?だったらご褒美もお預けね・・・」

って、峰子ちゃん今スカートをめくっておいらにぱんてー見せたぞ。純白のぱんてーにリボンまでついてやがる。

おいらのスラックスの下に隠した、ワルサPKRが思いっきり銃口を持ち上げちまったから大変だぁ。

運転席のドアに「ゴン」という音までしちゃったんだよ。ジネンと三衛門はクスクス笑ってる。



ということで、おいらは峰子ちゃんの指令を守らなくちゃいけなくなったってわけ。

別にぱんてーを見たからじゃないよ。男としてきちんと約束は果たさないといけないからね。

ま、ご褒美も出るってことだし。ふふふ、うまくいったら今夜はおいらが峰子ちゃんを独り占めだっつうのー!!

「何ニヤついてんのよ、気持ち悪い」

あ、また峰子ちゃんに見抜かれちゃったかな?

「あんたはこれから店でパック詰めの寿司を買ってくるのよ」

「え?指令はたったそれだけかい?」

「んなわけねえだろ、このボケカスゥー!レジで割り箸をくれるはずだから、20本もらってくるのよ、いーい?」

「峰子ちゃん、20本ってどんだけ寿司買うつもりなんだい?」

「寿司は一番安いかっぱ巻き1パックだけよ。198円だからね。余計なもん買ったら承知しないからね!」

そういって峰子ちゃんはおいらに百円玉2枚渡してくれたんだ。

残りはどう考えても2円だから、余計な物なんか何も買えるわけないじゃないか。

「ちゃんとお釣り返すんだよ、いーね!」



*(第七話)に続く


2016/08/26 09:00|日系ハーフ三世TB:0CM:0

日系ハーフ三世・大家族を装え!(第七話)


~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!


今回の指令もあと一つで無事に終了ってわけ。

いつも仕事のトリを務めるのはおいらなのさ。それだけ峰子ちゃんに信頼されてるってことかな。

でも、こんだけ騒がせておいてまた入るって、やっぱ峰子ちゃんは勇気あるよね。

おいらはいつもピンクのジャケットに着替えて出発さ。今回はなんといっても主役だからね。

峰子ちゃんや他の連中は、今度は店員と同じ服に着替えたよ。これなら絶対に怪しまれることないかも。



おいら、店に入って惣菜コーナーへまっしぐらさ。なるべく早めに切り上げたいからね。

顔がばれる心配もあるけど、その辺はちゃんと計算済みなんだ。

実はおいらたちそのためにわざわざ派手な衣装を身にまとっているのさ。

衣装が派手だと、顔よりも衣装に気をとられちまうだろう。そっちの方が記憶に残るってわけ。

ジネンの燕尾服も三衛門の和服も、普段はあまり見かけないもんね。

このピンクのジャケットだって探すの大変だったんだぜ。売れ残りの処分品だったけど、たった一着しかなかったんだから・・・。



おっと、お目当てのかっぱ巻きがないぞ。売り切れちゃってるみたいだ。

ま、今日はこれが目的じゃないからかんぴょう巻きでいいいか。値段も同じ198円だし・・・。

あっ、レジの向こうで峰子ちゃんがブロックサインを出しているよ。

後頭部に片手を当ててもう片方の手は腰に、激しく腰を前後に振ってるぞ。「急げ!」って合図だ。

早くしないといけないってことだね。なんかいやな予感がしてきたぞ。

おいらかんぴょう巻きを1パックだけ持ってレジに並んだんだ。

「208円になりまーす」

「え!」

そうかあ、消費税がつくから200円じゃ足りなかったんだ!

慌ててポケットを探ってなんとか10円玉を見つけることが出来たよ、よかったぁ。



「お箸は何膳つけましょうか?」

来たよ来たよ!ここが一番の勝負どころさ。おいら慌てる気持ちを抑えて、慎重に答えたんだ。

「20本つけてください」

レジのおねいさんは驚いてしまっている。こんなこと初めてだろうからね。

「あのう、そんなにお箸をつけたことありませんので、少しお待ちください・・・」

そういうと彼女は隣のレジのおばさんに聞きに行っちゃったよ。こりゃピンチだ。

「失礼ですが、お客様はこれを誰とお食べになるのでしょうか?」

隣のレジのおばさんが疑いのまなざしでおいらに話しかけてきた。

「家族で食べるに決まってるでしょ。うちは大家族なんだ」

へへ、どうだ。大家族といわれては返す言葉もないだろう。どうせそんなことわかるわけないしね。



すぐ側で峰子ちゃんはまだブロックサインを送り続けている。

ん、なんかさっきよりも腰の動きが早くなってきたようだぞ!

これがさっきのミニスカートだったらもっとエロチックだったのになあ・・・。

「では、家族構成を教えてくださいますか?」

おばさんの厳しい質問はまだ続くみたいだ。

もういい加減にしてくれよ。峰子ちゃん、腰振ってないで助けてくれ~!



*(第八話)最終話に続く

2016/09/07 09:00|日系ハーフ三世TB:0CM:0

日系ハーフ三世・大家族を装え!(第八話)最終話


♪~チャラッ、チャラッ、ニッケイハ~~フ!


レジのおばさんの強烈な質問に、おいら困っちまったぁ。

隣にいるおねいさんにはちゃんとお金を払ってるからいいじゃないか。

おねいさんも一応割り箸を何膳か準備してくれているし。

「疑うわけではないんですが、割り箸をそんなにたくさんつけたことがないものですからね」

おばさんはそういってるが、明らかにおいらのこと疑ってるよね。まるで犯罪者を取り調べているみたいだ。



「えーっと、おじいちゃんとおばあちゃんと父ちゃん母ちゃん、女房に子供にじいちゃんばあちゃん・・・」

指を折りながら必死で数えたさ。20人探すのは大変だよ。

「あっ、今おじいちゃんとおばあちゃんを2回言いましたよ」

こいつ、ちゃんと確認までしてやがる。本当に嫌なやつだ、まるで楽しんでるみたいに思えてくるからやんなっちゃう。

おいらの額から冷たい汗が流れてきた。やばいよ、マジで・・・。

「20人いるという家族は日本では聞いたことありませんの、おほほほ」

こいつは完全においらを馬鹿にしてやがる。ちきしょー!

「だっておいら、日系ハーフさ~んせ~い!!」

おばさんは意表を突かれたみたいに、口をポカンと開けている。おいら日本人じゃないんだもんね。ざまあみろ!

おねいさんが用意していた割り箸を握って、おいら速攻でレジを去ったのさ。

峰子ちゃんたちはもう出口付近まで走っている。



「オルガァ~、タイホだぁーーーっ!」

出口まで来たところで、聞き慣れた野太い声が店内にこだまする。

いっけねえ、またカピバラのおっさんだぁ。

おっさんは国際万引きGメンだから、おいらのいるところを嗅ぎつけてずっと追いかけてくるんだよ。

トレンチコートはいいんだけど、いつもかぶっている帽子はカピバラちゃんなんだ。まったくいい歳こいてセンスがないよね。

「おっさぁ~ん、日本までやってきたのかーい?」

「当たり前だオルガ。お前をタイホするためなら地獄の底にまで追いかけるぞ!」

やれやれ、世界中どこへ逃げ回っても、おっさんだけからは逃げられないようだね。



峰子ちゃんが待っているおいらの愛車に乗り込むと、タイヤが激しい音を出して走り出した。

走って追いかけようとするおっさんの姿は、見る見るうちに小さくなってしまった。

「いやあ、おっさんの執念にはびっくりするね!」

「だからずっとブロックサイン出してたのよ。あんたがグズグズしてるから危なかったじゃないの!」

「だって、家族構成とか聞いてくんだぜ。信じらんねえよ、まったく」

「で、割り箸はちゃんといただいてきたんでしょうねえ・・・」

「大丈夫さ峰子ちゃん、ほれこのとおり」

ポケットから出した割り箸を峰子ちゃんに見せてやったのさ。今回は完璧に指令をこなしたんだからね。

「ちょっと、オルガそれ数えてみなさいよ」

「えっと、1、2、3・・・」



キキィーーッ!

車は急ブレーキをかけて停まっちまった。

「本気で数えてんじゃねーよ、このばーか!」

「だって、今数えろっていったじゃないか」

「そんなもん、見た目で10本もないくらいわかるだろうが。さあ、あんたはここで降りるんだよ」

またおいらだけ置いてけぼりかい。今回一番活躍したのはおいらなんだぜ、わかってくれよ峰子ちゃん。

「その前にお釣り返してちょーだい!」

「いや、それが消費税ついたから足りなかったんだよ。おいら、なんとか10円持ってたからよかったものの・・・」

「うそおっしゃい!そんなにお釣りが欲しいんだったらくれてやるわよ。フンッ!」

「峰子ちゅわーーん、ごめんよ。2円返すからおいらを乗せてってくれよう」

おいら全然悪くないのに、2円渡すことになっちまった。惚れた弱みだから仕方ないよね。



「さ、じゃあ帰ってみんなでお寿司でも食べましょうか」

「あっ!!」

おいら割り箸に夢中で、かんぴょう巻きレジに忘れてきちゃった。

「峰子ちゃん、実はかんぴょう巻き忘れ・・、」

ビシィッバシィッ、ぼがぁーーーん!!

いくらなんでもグウで殴ることないだろ。でも、これは新しい感覚かも・・・。

「かんぴょうは嫌いなんだよ、とっとと失せなぁーっ!」

おいら、車から蹴り出されちゃったんだ。でも、寿司を忘れてきたのがばれなくてよかったぁ。

垂れてきた鼻血を手でぬぐいながら、ホッと一安心ってとこかな。

って、またおいらの車乗ってかれちゃったよ。

いいかげん返しておくれよ、峰子ちゅわぁーーーん!!



(大家族を装え!完)
2016/09/22 09:00|日系ハーフ三世TB:0CM:0

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