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恐怖の柿の種

会社の休憩時間に、旅行へ行って来た人からのお土産が出された。

おいしそうなカステラである。それも一個一個個包装されている。ずいぶん値段が張った事だろう。

その袋には小さい乾燥剤のようなものが入っていた。一袋ずつていねいなものである。

メタボチックな彼と一緒にそのお菓子を食べている時、私はふとある疑問を思い出した。

「こういうお菓子は酸化しないように酸素が入らない工夫がされているんだよ」

「へえ、真空パックみたいなもんですか?」

「いや、お菓子は真空パックされちゃいないよ。空気の変わりにガスが入っているんだ」

最近のせんべいなどはみんなこの方法がとられているようである。

「柿の種を知ってるか?6個入りのパックになっているやつだ」

「ええ、知ってますけど・・・」

「フレッシュパックとか書いてあるだろう。あれがそうなんだよ」




彼は日ごろあまり柿の種を食べないらしい。だからメタボチックになるのだよ。

私などは毎日食べないと気が済まない。あれはまさに最高のおやつだと思っている。

しかし私には大きな疑問がある。フレッシュパックと呼ばれるその方法は、酸素を追い出して窒素ガスを充填するやり方である。

だから袋の中には窒素がほとんどで酸素は入っていないのだ。

もし万が一、いやしい人間がいて、この袋を開けてすぐに口をつけて息を吸い込んだらどうなるだろう。

窒息死するような気がして怖かったのだ。いつもそう思いながら袋を開けていた。

「だから袋を開けてすぐに口をつけて吸い込むと死ぬんだよ!」

「そんなことないですって、死にませんよ」

「窒息なんてほんの一瞬で死んでしまうんだぞ」

私はその恐ろしさをよく知っていた。知り合いがそういう事故で死んでしまっているからだ。

そのことも話してやったのだが、まだピンとこないようである。

「袋を開けたとたんに空気が入るじゃないですか」

「だから、袋の口を手で押さえてだな、いや、口の中で開けてもいい・・・」

「そんなことやるアホな人間いませんよ」

メタボチックは私を見て笑っている。明らかにこいつは私の事をアホだと思っているのだ。



「絶対にないですよ!」

彼は自信を持って私に反論をする。ほっぺたの肉をプルプルと揺すりながら微笑んでいる。

「じゃあ賭けるか!?」

「いいですよ、絶対にそんなことないですって」

「よし、じゃあジュース一杯な。そこまで言うならお前がおれの言ったとおりにやってみろ!」

「えっ、おれがやるんですか?嫌ですよ!!」

「絶対自信があるんだろう。だったらお前がやるべきだ」

「だって死んだらジュース飲めないじゃないですか!」

「はっはっはー、語るに落ちるとはこのことだよ。今自分で死ぬと言っただろう」

「・・・・・・」

「お前の絶対はこんなものか。あっはっはー」

私はメタボチックな彼の困る顔を見ながら思いっきり笑った。

悔しそうな顔をした彼が、メガネを指で押し上げるしぐさが印象的だった。



しかし、まだ私の疑問が解決したわけではない。

家に帰って食後のデザートとして柿の種を食べる時間が訪れる。

私はいつものように、息を止めて顔をそむけながら袋を開けるのだった・・・。
2017/06/04 09:00|二期TB:0CM:0

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