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みなしごハッチとヤングマン

買い物へ行った帰りに、また赤い看板が私を誘っている。

晩御飯を食べる前だから余計に誘惑されやすいのだろう。

家に帰れば食事が用意されているというのに、私は赤い誘惑に勝てなかった。

「てりやき」と名のつくハンバーガーをついつい購入してしまった。



家に帰って食事を取った後にも、私には楽しみがあった。

もちろん、他の家族にもお土産として赤いお店のもを買ってきた。

食事が済んでからでもみんながおいしく食べれるとはすごいものだ。

ジャンクフードのなせる技、まさに別腹である。

私もさっそくてりやきをいただくことにした。

ジューシーなタレがおいしさの秘訣なのだが、逆にこぼして衣服に付く可能性もあるから要注意だ。

以前にそれで失敗をしているからよく心得てはいる。でも、家で食べる分には問題ない。




てりやきとは日本風のみりんなどを加えた、甘みのあるしょう油味のことをである。

それほどメジャーではなかったこの言葉を、一気にブレイクさせたのもこのハンバーガーかもしれない。

でも、てりやきという本来の意味はたぶん違うのではないだろうか。



私の頭の中は、焼き鳥屋の主人となって炭火を扇いでいた。



全部で40本の串が炭の上に並んでいる。

タレをつける前の焼きがこの料理の一番重要なポイントである。

その火加減を調節するために、赤いうちわがパタパタと叩かれる。これが難しいテクニックだ。

つらい修行時代に学んだこの技術は、他人が真似しようとしてもなかなか出来るものではない。

この技術によって客の入りも違ってくるのだ。



ちょうどよい焼き加減になったところで、秘伝のタレが付けられる。

このタレの成分については誰にも教えることは出来ない。

事実、修行した店の主人だって教えてくれなかったことだ。自分で研究して作り出したものだ。

鶏肉に付けられたタレが、ジュウという音をたてながら神秘の輝きを見せた。

「これが照りというものだ」

修行時代に最初に教わった言葉である。

その後、出来上がった焼き鳥を食べて感動して、弟子になることを決意したのだった。



「はい、焼き鳥あがったよーっ!」

大きな声で店の中にいる店員に声をかける。

やってきたのはアルバイトの女性店員だ。大学生だから夕方から手伝いに来ている。

とてもかわいいからついつい採用を決めたのだが、言葉遣いがどうも気に入らない。

それが元で客たちから叱られることもしばしばあった。

もう一つ彼女の特徴をあげるならば、その胸の大きさである。

それも、面接のときからずっと毎日、谷間の見えるような服を着ているから目のやり場に困る。




「はい、これ持っていってちょうだい」

私は40本まとめてのせた皿を彼女に渡した。

「いやぁん、てんちょー、これ重いわぁ」

彼女が皿を持ち直そうと下を向いた瞬間に、その胸元からたわわな胸がすべて見えたのだ。

もちろん乳首の先まではっきりと・・・。

たじろいだ私は何かに足元を取られ、後ろへひっくり返った。

ちょうど真後ろに秘伝のタレが入った大きな瓶があり、私の尻はすっぽりとそこに収まった。

おかげで怪我をすることもなくよかった。



「てんちょー、へいきぃ?」


そういった後で彼女は笑い出した。


瓶にはまって手足を広げ、ジタバタしている私の姿がおかしいのだろう。


でも、これは冗談じゃない。本当に抜けなくなってしまったのだ。


「おい、ちょっと引っ張ってくれないか」


彼女に手を引いてもらうが一向に抜ける気配はない。


「あたし、こおいうの苦手なんですけどぉ・・・」


そう言って彼女はレジにいる妻を呼んできた。


私の姿を見た妻も、大きな声で笑い出した。


「西城秀樹のヤングマンじゃないの!」


二人はいつまでも大爆笑しているではないか。まったく失礼なやつらだ。


「いいから早く引っ張ってくれ!」


妻と彼女は片方ずつ思い切り手を引っ張った。





私はなんとか地面に足を着けることが出来た。


しかし、尻の瓶はまだ抜けていなかった。「みなしごハッチ」そう、はたらきバチの格好だ。


しかも瓶の中からタレがにじみ出てきて足元に広がっていく。


妻と彼女も驚きと笑いのあまり、手を離してしまった。


すると重力の法則が働いて、私の身体はまた後方へ傾いて、瓶から飛び出たヤングマンとなった。


瓶の中のタレがなくなるまで、私はこの動作を繰り返した。


起き上がりこぶしのように・・・。
2017/02/10 09:00|二期TB:0CM:0

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