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合コン大作戦!


年末も近づいた時期なのでそろそろ忘年会をしなくちゃいけないという話が持ち上がった。

私も立場上はもちろんであるが、参加して盛り上げたいところだ。

「本来ならお前が幹事をするべきなんじゃないか?」

ニコラス刑事は私にそういうのだが、そういう仕事は荷が重い。

前に一度やったことがあるが、酔っ払ってもいられないからつまらないのだ。

だいたいニコラス刑事に言われる筋合いではないと思う。彼は参加しないとはなから決めている。




・・・ケチだからだ。

忘年会とかの職場の飲み会というのは、基本的には人数でかかった金額を割り勘することになる。

大勢で割ればそれほどでもないのだが、彼はそれが気に入らないのだろう。

おおよそ職場の飲み会というものには付き合わない主義なのだ。



忘年会では女性たちの参加もあるというので少し楽しみにしていた。

若い後輩たちが、よく合コンなどという楽しそうな飲み会をしていることを聞いていたので、うらやましく思っていたのだ。

私は合コンというものを知らない。

たぶん男と女がグループで飲み会をするのだろうが、どんな会話をするのか非常に興味があるのだ。





私の頭の中は、合コン会場に集まった若い青年となって、お酒を酌み交わしていた。



男も女も各5人ずつ、長いテーブルの両側にそれぞれ並んでいる。

一見すると高級そうに見えるこの黒いテーブルの上には、色鮮やかな液体があちこちで花を咲かせていた。

おしゃれなバーだけに、普段飲みもしないカクテルなどを頼んでいるのだ。

カクテルの飲み方も知らない私はすでにベロベロに酔っていた。

向かいの席に並んだ5人の女性たちがみんなモデルさんのように美しく見えてくる。





「怒るでぇ、しかしぃ!」

司会者の横山やすしが人差し指でメガネを持ち上げる。

「さあ、それでは女性人からの質問です。はい、2番どうぞ」

「えーとぉー、みなさんに聞きまーす。私をどこに連れて行ってくれますか?」

彼女の少し飛び出た下唇がエロチックに濡れている。

「はい、じゃあ1番からどうぞ!」

1番の男は成績優秀な学生タイプだ。

「私は読書が好きなので、一緒に図書館へ行きたいですね」

なんとつまらない男だろう。これでは女の気持ちを引き寄せることは出来ないぞ。

「はい、わかりました。次、2番!」

1番の彼は体育会系のスポーツマンタイプだ。頭も角刈りにしている。

「オッス、自分はサッカーをやってるので、応援に来て欲しいッス。できればお弁当も作って欲しいッス」

うーん、これは微妙なところだ。女の子のタイプによるだろう。

「次、3番!」

この男が今回のメンバーの中で一番のイケメンだ。でも、それ以外に特徴はなさそうだ。

「僕は映画鑑賞が好きなので、一緒に観に行きたいです」

「どんな映画が好みですか?」

初めて彼女のほうから聞き返してきた。これは脈がありそうだ。

「えーっと、アクションものがいいです。ハルマゲドンとか・・・」

こいつはアホだ。女の子が好きそうな映画じゃないだろう。しかもタイトルも間違っている。

せっかくのイケメンがこれではアホ丸出しではないか!

彼女もちょっと困った顔をしている。




「あれは『アルマゲドン』でしょう!!」

西川きよしが目玉を大きくひん剥きながらつっこみを入れる。

「じゃあ次は4番」

隣の彼は見るからに陰気そうだった。メガネをかけてうつむいている。

私は5番の席に座っていた。そう、いつもオチを担当する役目だ。

お笑いだからといってバカにしちゃあいけない。一番興味を引く答えを出すことが大事なのだ。

「えー、4番の人。起きてますかーっ!」

なかなか喋らないものだから、きよしの催促が入る。

「は、はい、起きています」

「アホーっ!質問と答えが違うやないかい。正味の話!」

やすしが言うと、会場は大爆笑に包まれる。・・・これはまずい。

私の席5番はオチを担当されているのに、4番でこんなに盛り上がってしまったら答えようがない。

「んで、キミは彼女をどこに連れていってくれるのかな?」

「えーと、動物園に連れて行きます」

「なにが動物園やっちゅうねん、猿みたいな顔してからに!!」

やすしのつっこみは強烈だった。会場は最高に盛り上がっている。

爆笑の渦はなかなか収まらなかった。私の全身から嫌な汗が流れる。




も、もうだめだ。私がオチに用意していた答えなど、この最高に盛り上がった雰囲気にはそぐわない。


この状態では何を答えてもすべってしまうに違いないからだ。


何もいらないからこのまま帰してほしい。心からそう願った。


「はい、それじゃあ最後!5番の彼はどこへ連れて行ってくれるのかな?」


私はパニックに陥ってしまった。今から喋ることなど意味がないことを知っている。


それなのに、司会者はもちろん、会場全体が今以上のオチを期待して目を輝かせている。


私は服を脱いで踊り始めた。困ったときの江頭だ。


最初は大爆笑していた会場も、調子に乗ってズボンを脱いだ瞬間から悲鳴が響いた。


舞台の照明が消えた後、私は両脇を警備員に抱えられながら運ばれた。


警備員は私の代弁者となってに司会者にこう告げた。


「警察に連れて行きます」
2016/12/12 09:00|二期TB:0CM:0

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