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赤いボタン


喫煙室でオタクな後輩と一緒になった。相変わらず無口な男だ。

タバコを吸う彼の姿は、まるで自分の雰囲気を消そうとしているようにも見える。

黙っているもの寂しいので彼に話しかけてみる。

「寒くなってきたなあ」

「はい・・・」

「今年の冬は灯油代がかかって大変だぞ。去年よりもかなり高くなってるし」

「そうですね・・・」

まったく反応が悪い男だ。これでは会話じゃなくて、私の独り言に相槌を打っているようなものだ。



「お前の家は風呂を灯油で沸かしてるのか?」

「わかりません」

自分の家の風呂が何で沸かしているかもわからないとは情けない。

「もしかしてガスか?」

「そうかもしれません」

こいつは家のことをまったく知らないのだから恐ろしい。みんな親に任せて自分は引きこもっているのだろうか?

でも仕事はきちんとしてるし、悪い男ではないことはわかっている。

「もしかして、お前のうちは薪を焚いて沸かしてんじゃねえだろうな」

彼は笑いながら答える。

「いや、でもボタンがあるんですよ」

「そのボタンを押すと風呂が沸くのか?」

「ええそうです。もしかしたらガスかもしれないです。だって『コ○ナ』って書いてましたから・・・」

でも、我が家の給湯器も灯油を使っているが同じメーカーである。

「それだけじゃわからないよ。本当に知らないのか?」

「ええ、わからないんです」



本当に困った男だ。これじゃあ会話も続かないではないか!



私の頭の中は、オタクな彼となって自分の家にいた。



なるほど、これが風呂を沸かすボタンか・・・。


四角いパネルの中に赤いボタンが目立っている。ちゃんと「コ○ナ」のマークもあるぞ。


よおし、風呂を焚くぞ。この家の風呂焚きシステムを見届けてやる。




スイッチーーーッ、オンッ!!




そのとたんに、今までテレビを見ていた親父が急に起き上がり、急いで軍手をはめて外へ出てゆく。


窓から様子を覗うと、彼は大きな斧を振り下ろして薪を割り始めるのであった。


2016/08/12 09:19|二期TB:0CM:0

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