●●
人間最後の日

すぐそこにある


|





プロフィール 

足田代

Author:足田代
誰にも言うなよ!


カテゴリー 

下のカテゴリーは古い順に並んでいます。 最初から読みたいときにどうぞ。


広告 


フリーエリア 


広告2 









FC2カウンター 

現在の閲覧者数:

伝説のレスラー(2) 燃える闘魂


テレビでアントニオ猪木のモノマネをする芸人が出ている。

「元気ですかーっ!」などの、お決まりの文句を武器にテレビに引っ張りだこのようである。

いつの時代も猪木のモノマネをする芸人は必ずいる。それはあの男に魅力があるからに相違ない。

かくいう私も、そんな彼の試合を真剣に見ていた一人である。

異種格闘技では、あのボクシングヘビー級チャンピオンとも戦って見せた。

その時に編み出された技が、アリキックと名付けられて彼の持ち技のリストに加えられてゆく。

次々と新しい技を取り入れてゆく姿こそ、みんなの憧れのヒーローなのかもしれない。


かっこよかった。それは誰よりもかっこよかった。


いつかそんな彼と戦ってみたいとさえ思っていた・・・。



私の頭の中は、伝説のレスラー・ジャイアントこすぎとなって、猪木に戦いを挑んでいた。



カーンッ!

ゴングが鳴って試合が始まる。いきなり猪木のビンタが私の頬を打つ。

目の覚めるような激しい音が脳みそにこだまする。ああ、気持ちいい。

私はお前の兄弟子、ジャイアント馬場師匠から名前をいただいた男。そう簡単にはやられないぞ。

続けざまに彼のアリキックが私の太ももに何度も突き刺さる。

「出たぁー、猪木のアリキック。異種格闘技であのモハメド・アリを苦しめた・・・」

リングアナウンサーも今日はやけに張り切っている。きっと猪木の完全勝利を確信しているのだろう。



しかし、私は苦しんでなどいないのだよ!


なぜなら私は生粋のマゾヒスト。痛めつけられれば痛めつけられるほどに喜びを感じる男。


さあ猪木よ、どんどん攻撃してくるがいい。私はむしろそれを望んでいるのだ。


業を煮やした猪木は、私をつかんで固め技に入る。

「おおっとぉ、これは卍固めの体勢だ。このまま決まってしまうのかぁー!!」

猪木の必殺技は完全に決まっていた。私の身体がギシギシと締め付けられてゆく。

レフェリーの山本小鉄が心配そうに何度も私を覗き込む。「ギブアップ?」

長い時間が過ぎても私は降参などしない。全身で快感を得ているような気分だ、ああ気持ちいい。

しまいに疲れ果てた猪木が組んでいた身体を引き離す。

かなり疲労しているようだ。名セリフ「しゃーこのやろ」も彼の息遣いが荒くなっている。



よし、今がチャンスだ!!

私は彼の手を取り、力任せにコーナーポストへ投げ飛ばした。

猪木は激しく背中を打ってぐったりしている。これでとどめを刺してやるぞ!

私は対角線上のコーナーから思い切りよく助走をつけて猪木に向かった。

「ジャイアント・こすぎの空中殺法かーーっ!?」

猪木の数メートル手前で、スピードにのった私の身体がロケットのように標的に向かった。

「ダイビング・ヘッドバッドーーッ!」


突き刺さる直前で猪木がスルリとかわす。私の頭はものすごい勢いでコーナーポストに激突した。



頭を押さえながらなんとか起き上がってはみたものの、意識はフラフラだ。


いくら私でも、これじゃあ脳の神経がおかしくなってしまう。快感を得る以前の問題だ。


ふと見ると、猪木が私に向かってなにか言っているようだ。


「布団をひいたから、ここで休むといいよ」


なんと優しい男だろう。敵に塩を送るとはこのことだ。


猪木よ、敵ながらあっぱれなやつだ。お前になら私の名前をくれてやらんでもないぞ。


私の目の前に柔らかな白い布団が用意されている。


ありがとう猪木よ。少しここで休ませてもらうか・・・。


横になった私に、猪木が優しく羽毛布団をかけてくれている。ああ、涙が出そうだ。


「ワン、ツー、スリー」


カンカンカンーーッ!!!



ゴングの連打で意識を取り戻した時に、私の身体の上でしゃくれた男が「しゃあ」と叫んだ。
2016/05/07 11:11|伝説のレスラーTB:0CM:0

コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバックURLはこちら
http://psz.blog42.fc2.com/tb.php/119-5201ec2a

↓投票するのよっ!! 



人気ブログランキングへ
↓人間最後の日

最近の記事+コメント 


リンク 


このブログをリンクに追加する

FC2カウンター 


ブログ内検索 


RSSフィード 


pranks 


アルファポリス 




↓タベグロ

↓じじいの巣


↓冬の夜の楽しみ
↓スマートホンこわい

Copyright(C) 2006 人間最後の日 All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.