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足田代

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ニコラス刑事・風邪をひく

職場の休憩時間に、ニコラス刑事と一緒になった。

映画俳優「ニコラス・ケイジ」のことを、知ったかぶりして「ニコラス刑事だろ?」と言った男である。

彼のことをまだよく紹介していなかったので、その全体像をお知らせしておこう。

私の大先輩であるニコラス刑事は、50過ぎのおじさんで独身である。

歳の割には体力があふれていて、若い人には負けないほどの力を持っている。

顔や行動はだいたい「ガッツ石松」を想像してもらって間違いない。バナナが大好きだ。




そんなニコラス刑事がめずらしく咳をしているではないか。

「お前に風邪をうつされた」

先日まで私はずっと風邪をひいていたのだが、そんなに近くにいなかった筈だ。

「これは野獣しかひかない風邪だ」

私を指差しながらそう言うのだ。

彼は何かにつけて、私を仲間に引き入れようとしている。

ニコラス刑事は、他人が見たらまさに野獣である。それと私を一緒にしてもらっては困る。

だいたい、彼が風邪をひいたという話は聞いたことがない。人間離れした体力の持ち主なのだ。




ニコラス刑事はゴルフが大好きで、その腕も結構なものである。

しかし、コンペの一週間前になると、必ず身体のある部分が痛くなる。

たいがいは肩が痛いだの、腕が痛いだの、右腕付近の不調を訴えてくる。

なぜかというと、



スコアが悪かったときの言い訳作りをしているのだ。



そんな彼のことだから、きっと「年休を取りたいがための仮病」をつかっているのではないか。

それが、彼を除く全員一致の見解である。



彼が休もうとしているのは日曜日。



当然医者はやっていない。



でも、



競馬場はやっているから・・・。



ニコラス刑事は競馬が大好きだ。

彼はいつものようにこう言う。

「馬の調子なんか、ボロを見りゃわかる」

ボロとは、馬糞のことである。

「硬いか柔らかいかで決まるんだよ」

「そんなのまで、見ただけでわかるんですか」

私が聞くと、

「当たり前だ。匂いまでわかるよ」

当然のような顔をして答える。



恐るべし、ニコラス刑事。まさに野獣である。

この男は馬とも交尾しているのではないだろうか。

彼の不調は風邪ではない。きっと馬インフルエンザだ。
2016/10/19 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・寿司屋へ行く

休みの日の後などは話題が豊富である。

みんなが休日を利用してどこかへ出かけるからだ。

私の職場でも、休憩時間になるといろんな話題に花が咲く。

中でも、食べ物の話題になると大勢の人が興味を持ち、話に参加してくる。

今日は寿司の話だ。

寿司といっても、最近は回転寿司が主流になっている。もちろん、私たち庶民にはそれで満足なのである。

「どこそこの回転寿司はネタがいい」だの、

「あそこはシャリがまずい」だの、

とにかく、いろんな人たちが意見を交わしている。

そんな中で、ニコラス刑事がひときわ大きい声で言う。



「やっぱり、トロは中トロに限るな」


ニコラス刑事は、何でも知っている人である。彼の一言にはみんなが関心を寄せる。



「大トロは脂が強すぎていけない」


みんながうなずく。でも本当の大トロを食べたことのある人間は、ここには一人もいない。

みんな回転寿司の話をしているからだ。確かに私たち庶民の舌ではわからない。

ニコラス刑事は、まだ続けて喋っている。



「ウニはまずい。ありゃあ人間の食いもんじゃねえ」


この意見には、若干の反論もあるのだろう。しかし、みんな黙って聞いている。

ニコラス刑事が怒ると怖いからだ。




でも、私は知っている。



ニコラス刑事が大トロとウニを嫌う本当の理由を・・・。





値段が高いからである!



彼はケチで有名な男。普段でも弁当の代わりにカップラーメンを持ってくるのだが、


そのカップラーメンはなぜかいつも同じ銘柄。


メーカーも知らない。


ただ「ビッグ大盛り」と書かれた文字だけが強烈に印象に残っている。


「大盛りで68円だぜ。安いだろう」


これが彼の自慢だった。





そんなニコラス刑事が、とある回転寿司チェーン店にいるところをたまたま見かけた人がいた。

私もその人から聞いた話なのだが、



ニコラス刑事は、カウンターではなく、座敷に一人で生ビールを飲んでいたらしい。



しかし、テーブルに寿司はなかった。



なんと、ガリと無料の味噌汁をつまみに飲んでいたというのだ。




普通の人が聞いたらうそだと思うかもしれない。でも私はその話を信じている。

なぜなら、彼のことをよく知っているからだ。異常なまでにケチなその性格を・・・。

恐るべし、ニコラス刑事。
2016/10/27 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・パソコンを買う

昨年の暮れに私がノートパソコンを買ったことを聞いて、快く思っていない人物がいた。

あのニコラス刑事だ。

彼はパソコンなど知らない。

だから、私が買ったと聞いてから、ずっと悔しい思いをしていたのだ。

なぜなら、

彼は何でも知っていなければならなかったからだ。



そのニコラス刑事が何を思ったのか、先月にパソコンを買ったというのだ。

たぶん、私に対抗意識を燃やしてのことだと思われるが・・・。

いったい、何に使うというのだろう。

彼が言うには、「音楽をCDに入れるため」だそうである。

ところが、何度チャレンジしても失敗ばかり。

すべてMP3とかいうやつになってしまうらしい。彼の車では再生できないのだ。

このCDというものは、書き込み専用で二度書きが出来ないタイプ。

よって、一度失敗したものはもう使えないのである。

彼はもうすでに何十枚も購入したという。

しかし、いまだにその計画は達成されていない。



最近になって彼は、タイピング練習を始めたらしい。

若い後輩がパソコン検定を受検する話を聞いて、自分でも出来ると思っているのだ。

彼の講義が始まった。

「キーボードなんか見てたら駄目だ!」

そう言うと、両手を前に突き出し、中腰の体勢になった。

「こんな感じだよ」

目をつむりながら、キーボードを叩く真似をする。

彼の太く黒い指が大蛇のしっぽのようにのたうちまわる。

あまりにも醜い姿に私は思わず突っ込みを入れる。




「あんまさんかっ!!」


目をパチリと開けたニコラス刑事は、その不気味な動作をやめて私のほうへ向かってくる。

「ほう、そんなにこってるのかあぁ」

そう言うなり、私の肩を強烈にもみ始めたのだ。

あのゴリラのような怪力で・・・。



プロレスの固め技を決められたように、私は動くことも出来なかった。

ぎゃあ、という私のうめき声で、やっと手を離してくれた。

彼はゴリラだが、人間の頭脳を持っていたようだ。



ニコラス刑事のCD録音は誰に聞いてもわからないという。

そんな彼がとった行動が、カーナビの購入であった。

ポータブル型のナビで、どこにでも持っていけるという優れものだ。

これならMP3も聞けるというのだ。



その名も「ゴリラ」

購入して車のダッシュボードに置いたのだが、「大きすぎて前が見えない」と、また問題を抱えることになった。
2016/11/10 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・電化製品を直す?

(*この記事は過去に書いたものです)


始業前のちょっとした待ち時間に、ニコラス刑事が悩んでいる。

珍しいことなのでちょっと気になった。また休む理由でも探しているのだろうか。

「どうしたんですか。何か心配事でも・・・」

私は声をかけてみた。

「いや、カタログが送られて来たんだよ」

「なんか買うんですか?」

「この前のテレショップから送られてきたんだ」



そうだ。彼は先日、ポータブルカーナビをテレショップから購入したのだった。

一度購入すると毎月のようにダイレクトメールが送られてくるのだろうか・・・。

しかし、それはカタログではない。ただの広告チラシだろう。

「んで、なんか買うんですか?」

「それがすごい安いんだよ!47インチの液晶テレビがなんと・・・」

この先はテレビでおなじみのキンキン声と同じセリフなので省略する。

ニコラス刑事の家にあるテレビは88年製のブラウン管テレビ。この間もおかしくなったばかりのポンコツだ。

いつも液晶テレビが欲しいと言ってはいるのだが、いっこうに買おうとはしない。

競馬でうん十万円勝った時だってそうだ。「よし、液晶テレビ買うぞ!」なんて言っても買うはずがない。

すぐにまた競馬で使ってしまうからだ。



ニコラス刑事の家のテレビは、聞くところによると、画面の右上の部分が変な色をしているという。

その原因はたぶん彼にあると思われる。

彼の場合、電化製品に不具合があるとまず「叩く」という行動を起こす。

次にもう一度叩く。でも、彼のすごいところはここからだ。




別の場所を叩き始めるのだ!


私は彼のそういう行動を職場で何度も見ているのだ。


手に持てるものは一度持ち上げて落とす。落下ショックである。


でも、それで実際に一度だけ電気ドリルが直ったのも目撃した。

しかし、その一連の動きを見て、知らない人はゴリラが遊んでいるように見えるだろう。

よくも今までそのテレビは耐えてきたものだと感心させられるのだ。

彼がそんなテレビをいまだに使っている理由はただひとつ・・・。




ケチだからだ!!

まだ映るのに買う必要はない。それが彼の信条なのだろう。

彼が心配していることは、酒に酔ったときに買ってしまうのではないかということだった。

今までも、酔った勢いでロレックスの偽物を買ったり、変な10枚組みの懐メロを買ったりしている。

毎月そんなのが来たら買ってしまいそうだというのだ。

(いっそ、買ってしまえばいいのに・・・)そう思ったが言うのはやめておいた。



彼がこの間必死に取り組んでいたカーナビについての話は、その後聞いていない。

あれほど騒いでおいて、今はそれについて何も語ろうとしないのだ。

私はあのカーナビがポータブルという、手に持てる家電製品だったことを思い出した。
2016/12/14 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・アニメを語る


昼食をとった後、休憩室がテレビの話で盛り上がっていた。

一人の後輩が「ペリーヌ」とかいう番組が面白かった、と熱っぽく語っている。

しかし、なかなか分かる人がいなかった。

「なんじゃそりゃ、新しいプレイか?」

私が言うと、後輩は笑いながら「マンガですよ、アニメ」とさらに説明をする。

「感動する物語なんです。アニメ劇場の・・・」

「じゃあ、あれと同じか。アルプスの少女ハイジ」

「そう、そんな感じのやつです」

すると、食事を終えた野獣の遠吠えが聞こえた。ニコラス刑事だ。




「ハイジはよかったねえ。あれは感動したよ!」

相変わらずの野太い声で、会話を一気にさらってゆく。




「おじいさんが死んじゃうんだよな、かわいそうだったなあ」

ニコラス刑事は思い出にひたっている。

「あの最終回はかわいそうだったね。犬も死んじゃうし・・・」

私も共感して話に加わる。あのラストシーンが目に浮かんできた。




「あの犬・・・、パトリシアだっけ?」


「パトラッシュですよ!!」思わぬボケにすかさずつっこみを入れる。


爆笑の後も、二人の回想は続いた。


「あの犬が天国へ行くんだよな、天使がやってきて、少年ペロがそれを下からこう持ち上げて・・・」


「重量挙げかっ!!」


また爆笑の渦だ。さすがはニコラス刑事、話がうまい。私のつっこみにも拍車がかかる。。





そんな盛り上がった雰囲気の中で、ペリーヌの後輩がぼそりとつぶやいた。


「でも、それって・・・、『フランダースの犬』の話でしょ!」




そうだ、私もニコラス刑事も大きな勘違いをしていたのだ。


「アルプスの少女ハイジ」など、どこかへ消えていた。たぶん頭の中で一緒になっているのだ。


その後で、後輩ペリーヌがニコラス刑事から強烈肩もみをされたのは当然の報いだ。


気持ちよく話していたところを台無しにされたのだから・・・。


    KY  =  空気読めない


この言葉の重要性を身に染みて感じていることだろう、叫び声とともに・・・。

2017/01/21 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・立派な言い訳


休憩時間にニコラス刑事が自慢のスマホを出していじっている。

自分の指でもタッチで反応するもんだから、うれしくて画面を見せて自慢したりしているのだ。

時々自分が撮ったペットの写真を見せて、

「どうだ、かわいいだろう!」

なんて言うのだが、そのペットもとっくに死んでしまっていたりする。

「お前はどうせ、いつも女子高生のパンツばかり撮ってるんだろう?」

いかにも見たいようないやらしい顔で私を見る。

「そんなことできるわけないでしょ、すぐにつかまりますよ」



最近になって、女性の尻を追いかけてずっと盗撮していた男が有罪判決を受けたらしい。

彼は女性の後ろをついて周り、ズボンの上からではあるが、ずっとその尻を撮影していたのだ。

最初の裁判では偶然だという主張が通って無罪となったが、最高裁で連続しての撮影は偶然ではないということで有罪が確定した。

「しかし、なんでわかったんだろう?」

その話を聞いていたニコラス刑事が、不思議そうな顔をする。

「今の携帯は撮影する時に音がするようになっているんですよ」

「そんなの消しときゃいいだろうに」

「それが犯罪防止のために消せないんですよ」


彼はそんなことも知らなかったのだろうか。今知っておいてよかったかもしれない。

「だから歩いているときに後ろでカシャカシャ音がして気づいたんでしょうね」

「そんなのくしゃみでもしてごまかせばいいじゃないか」

「だって連続ですよ!」



すると彼は立ち上がって、そばにいたメタボチックの尻に携帯を向けて

「へーくしょん、へくしょん・・・」と真似をしてみせる。

「かえって目立つじゃないですか!!」

私が突っ込むと彼は即座にこう言い返してきた。

「これなら最高裁でも立派ないいわけになるぞ」

確かに言われてみればそうかもしれない。さすがに原始人の考えることは違うものだ。

女性の方は街を歩く時、後ろでやたらくしゃみをする男がいたら注意してもらいたい。
2017/02/24 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・幕末を語る


私がお昼の食事をしようと休憩室に入ったら、例によってニコラス刑事が大きな声で話をしていた。

話の内容は「幕末~明治維新」のくだりである。

私はこの話を何十回と聞かされた。

彼は幕末のことなら何でも知っている。非常に詳しいのだ。

しかし、何度も同じ話を聞かされてはたまったものではない。

私はこの話が始まると、必ず別なことを考えるようになった。自然に・・・。



ニコラス刑事がつばを飛ばしながら話している相手は、新人君。

先日の日記、「性格診断」で書いた男である。(私が手相を作ってあげた)

そうだ、彼はまだこの話を聞いたことがなかったのだ。

新人君は、うんうんと頷きながら必死に聞いている。



ニコラス刑事のその話は、新撰組から始まり、坂本竜馬に及ぶ。

そこで、あの決まり文句が登場する。



「坂本竜馬を暗殺したのは誰だと思う?」


そして、相手が考える暇も与えずに、続けざまにこう言うのだ。



「あれは、西郷隆盛なんだよ。なぜかわかるか?」


さらに、相手に答える暇を与えない。


「竜馬を殺したやつが吐いたセリフを聞いた人がいるんだ。それが西郷隆盛の国訛りだったのさ」


もう、天にも昇るくらいいい気持ちになっている。


そして、さらに会津白虎隊の生き残りのかわいそうな話になり、最終段階だ。


「それよりかわいそうなのが、二本松少年隊だあ!」


ニコラス刑事がひざを叩く。くわえていた爪楊枝を飛ばし、その口調も一気にヒートアップする。


都合30分ほどかかっただろうか。ニコラス刑事は気分をよくして休憩室を後にした。




やっと訪れた静寂の中、私は新人君に声をかけた。

「どうだ、勉強になったか?」

新人君はメガネの縁を指で押し上げながら言った。




「いやあ、実は3回目なんです」


メガネのレンズがきらりと光った。その奥に見えるのは涙なのか。

恐るべしニコラス刑事。新人君もすでに被害者になっていようとは・・・。



わが職場では、ニコラス刑事のいる前での歴史の話はタブーとなっている。

そこから強引に幕末へタイムスリップさせられるからだ。
2017/03/10 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・「もったいない」を語る


休憩時間にニコラス刑事と一緒になった。

ちょうどその時は日本特有の「もったいない」という言葉について熱く語られていた。

なんでも、他の国には「もったいない」に相当する言葉がないらしい。

この日本独特の素晴らしい言葉が、今世界で見直されているということだった。

「しかし、あれはもったいないよな!」

待ってましたとばかりに、ニコラス刑事が野太い声を張り上げる。

皆が自分に顔を向けたのを確認してから、また声を一段と大きくして話を続けた。

「コンビニの弁当だよ!」

彼はいつもコンビニで弁当を買ってきて食べているのだが、それがどうしたというのだろう。

「値段が高いからですか?」

彼はケチだから、所詮そんなことを言うのだろうと思っていた。

「馬鹿野郎!おれはそんなケチな人間じゃねえぞ!」

彼はどうやら私のつっこみが気に入らなかったらしい。



「この前、賞味期限切れの弁当をレジに持っていったんだ」

わざわざ期限切れを確認して持ってゆくだろうか?

「レジで賞味期限が切れてるよ、って教えてやったんだよ」

どうやら彼は期限切れだからもらえるのではないかと期待していたらしい。

ケチな彼の考えそうなことである。



「賞味期限と消費期限というのがあって、賞味期限というのは・・・」

少し離れたところで聞いていた芋洗いが喋りだす。これが始まると長くなるのだ。

話の骨を折られたニコラス刑事が下を向いて露骨に嫌な顔をしている。


KY = 空気読めない

芋洗いのやつはいつもそんな調子なのだ。他人の話を聞いてやろうという気がまったく感じられない。

私はそんなニコラス刑事がかわいそうになって、話しを強引に押し戻した。

「で、もらってきたんですか?」

ニコラス刑事の表情にも笑顔が戻る。

「いや、それが『決まりだから捨てないといけない』って言うんだよ!」

なるほど、彼のもったいないとはそういうことだったのか・・・。

まだ食べれるのに捨てなければいけないというのは、確かにもったいないとは思う。

しかし、食べた人が食中毒になったりしたら、それこそ大問題である。



「『ここで食っていくからいいだろう』って言ったのに、ダメなんだとよ!」

コンビニでそこまで食い下がる男を見たことがあるだろうか?

ニコラス刑事のその言葉に、ケチを通り越した恐ろしいまでの執念を感じずにはいられなかった。

「本当にもったいねえよなあ」

彼の食べ終わった弁当が、ゴミ箱から拾ってきたもののように思えてくるのだった。
2017/04/09 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・靴下を笑う



会社の帰りに靴を履き替えていた時、私を見たニコラス刑事が言った。

「あっ、お前靴下に穴が開いてるぞ。恥ずかしいなあ」

「あんただって、この前開いてたでしょ」

そうだ、この間もニコラス刑事は自慢するように言っていたのだ。

「右足の親指の部分だけ、なぜか穴が開くんだよ!」


そして右足を見せるのだった。

「ほら、匂いも嗅いでみろ!」

私の顔に近づけられたその穴は、親指がすっぽり入るほどの大きさだった。

いったいどれくらい履いていたんだろう。おそらく穴が開いてからもしばらく履いていたと思われる。


彼が靴を履き替える様子を伺った。

すると、右足の親指には穴が開いてなかった。しかし・・・、





左足の小指に穴が開いていた!

それはまさにこの間彼が見せた右足の親指部分に相当するものだった。

穴が開いた親指部分を、左足に履き替えてごまかそうとしているのだ。

そういえば、彼はいつも紺色の靴下しか履いてこない。

きっと穴が開いた部分をローテーションで回しているのだろう。裏返しも入れれば4回使える。

きっと彼の家のタンスには紺色の穴の開いた靴下がたくさん眠っているのだ。

それを毎日組み合わせを考えながら履いて来ているに違いない。



ニコラス刑事の靴下の話で思い出した。

以前休憩時間にスネ毛の話をしていたことがあった。

後輩の一人が実に毛深いという話で盛り上がっていたのだ。



「おれは自慢じゃないけど、スネはきれいだぞ」


そう言って、両足のズボンをまくって見せてくれたのだ。

その足のスネ毛よりも目立っていたのは、紺色の靴下だった。





右と左で長さが違っていたからだ!!

それも同じ紺色の靴下。左右で10センチは違っていた。。

全員が大爆笑する中、彼は慌ててズボンを戻しながら舌打ちした。

彼のタンスの中を想像するとまたおかしさがこみ上げてくるのだった。

2017/05/11 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

ニコラス刑事・他人の不幸


月曜日の朝、ニコラス刑事が昨日の競馬について語り始めた。

「あんな乗り方じゃあ、馬がかわいそうってもんだ!」

お得意の騎手のせいで負けたという話だ。

ちゃんと乗っていれば勝っていたはずだという、彼の理論は負けたときの言い訳である。

彼が負けたときの言い訳は他にもある。

「あんな悪い馬場で走らされたら、せっかくの足が生かせないに決まってるだろう!」

彼の予想に馬場状態が入っていないはずはない。

彼はパドックから直前の馬場状態まで見極めてから、直前に馬券を購入することを信条としていた。

厩舎の管理が悪かっただの、ゲートに誘導する係員がわるいだの、とにかく他にその原因を結びつける。

決して自分の予想が間違っていたとは言わない。



彼は競馬で当たってもそのことを自慢するだけで、他の人におごってやったりすることはない。

他人が当たったときは、いくら儲けたかをしつこく聞いてくるのだが、自分が購入した金額や儲けた額を教えることもない。

自分の財布が他人より多いかどうかを必死に計算しているのだろう。

だから彼は他人の財布が気になって仕方ないのだ。

私が先日たまたま馬券を当てたときも、彼はしつこく聞いてきていた。

その後、競馬があるたびに「お前は金持ちだからな」と嫌味たっぷりに言うのだった。



それがつい最近まで続いたある日のこと。

「誰かさんはいっつも競馬で儲けてるからな」

また彼の嫌味が始まった。

「いつまでそんなこと言ってんですか。もう残高200円しかないですよ」

私がそういうと、とたんに彼の表情はにこやかになってくる。

彼の頬は緩みっぱなしで、あからさまに笑い出す始末。

そのゴリラ顔がいつの間にかマントヒヒに変化して見えのだった。
2017/07/06 09:00|ニコラス刑事TB:0CM:0

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