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人間最後の日

すぐそこにある


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足田代

Author:足田代
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冬の夜の楽しみ

おれだ、田代だよ。

いやあ、今年の冬は恐ろしいほど寒いな。まったくエブリデイエブリタイムどんとぽっちぃだったわけさ。

一般人には知る由もないだろうが、寒さもある限界を超えると痛みに変わるのだよ。

いいや年のせいじゃない。人間誰でもおんなじだ。隣の若いあんちゃんだってそう言ってたもんな。

肌の露出した部分の先端が、針でも刺したようにチクンチクンするんだぜ。

ま、生ぬるい世間で暮らしている人間にゃあわからねえだろうがよ。



まず足のつま先が痛くなる。

そんな時は両手で足のつま先を包むような感じでもみほぐすんだ。

何度も何度も繰り返しているうちにだんだん痛みがとれてくるから不思議だ。

手の指先も痛んでいるから、まさに一石二鳥ってわけだ。おれって頭いいだろ?

時間がかかりそうな時は手のひらでこすってからやるといいぞ。摩擦で予熱する仕組みだ、とっても効率がいい。

しばらくやっていると指先にも血が通ってピンク色になる。

暖房なんかなくたって人間は自分で温まる術を持っているのだよ。

省エネとかなんとかいう前に、人間も動物だってこと忘れちゃいけねえ。

だからおれは冬眠してるんだ。
2012/03/02 09:30|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

冬の夜の楽しみ(その2)

毎度、田代だよ。

やっと手足が温かくなってきたと思ったら、今度は耳たぶが痛くなった。

耳たぶに手をやってもみほぐすようにマッサージすればいい。

でも、こんだけ冷たいとマッサージするだけでもげるほどの激痛だ。

こんな時は後ろに向いてる耳たぶの先を、ゆっくり前に向けるんだ。

そうそう、耳の穴にふたをするような感じで・・・。

ほら、波の音が聞こえるだろう?

深い海の底で聞く波の音だ。目をつぶって感じるんだ、原始の声を。

アンモナイトな気分になると、腐れきった世の中のことなんか忘れてしまう。

粘液質な溶液は母なる地球、憶千万年のエキゾチックジャパァ~ン!



2回転と4分の3巻き戻るラセンは黄金世界。

中心から湧き上がる小さな塊、プランクトンは広がる方向へ回りだす。

光を求めさまようしぐさも、すべてフィボナッチの手の内さ。

内耳を遡りもうそこまで来ているよ。さあゆっくり手をどけてごらん。

ほうれ、大きな耳くそだ。
2012/03/03 09:17|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

冬の楽しみ(その3)

いやあ、田代だよ。

耳が温まったと思ったらまた足の先が痛くなってきたぞ。

人間の手がもう二本あればよかったと思う今日この頃さ。

なあに心配はいらねえ、おれにはいいアイデアがある。

両足のつま先を持ち上げて耳たぶにくっつけるんだ。

もちろん外れないように両手でしっかりと押さえることも必要だ。

これぞ三位一体、究極の一石三鳥が実現するってわけだ。

手も足も耳もすべてが温かくなるって寸法さ。やっぱりおれって頭いいな。



重心が不安定で体形を維持するのがむずかしいよ。バランスの悪いやつにゃあ無理だろうな。

あっ、後ろへ転んでしまったよ。でも手足はしっかり耳につけたままさ、大丈夫。

丸くなった背中を下に揺れてるが、別に誰かが見てるわけじゃねえ。

ああおれはなんておれは幸せなんだろう。この時期にこんなに温かいやつは他にいないだろう。

不格好な起き上がりこぼしは孤独にゆらぎ続けるのさ。
2012/03/05 09:29|冬の夜の楽しみTB:0CM:4

冬の夜の楽しみ(その4)

おっす、田代だよ。

まだ揺れてて何が悪い。赤ちゃんのゆりかごみたいに心地いいんだ。

このゆらぎは精神を安定させるリズムを三半規管に送り出しているのさ。

ドラッグなんか必要ねえ、人間には自分で精神をコントロールする術を持っているのだよ。

自分の意志が弱いからドラッグなんかに助けを借りるわけさ。まったく情けねえ話。

結局だまされてんだよ、何もかも妄想の中で生きてんだみんな。

ま、生ぬるい世間で暮らす一般人にゃあそんなことわからねえだろうがよ。



なんだか腰が痛くなってきたぞ。

やっぱこの体勢は重心部分に負担がかかるようだ。でもやめたくないな。

そうだ、この体勢のままひっくりかえれば腰の痛みから解放されるんじゃないかな?

よおし、前後に反動をつけて一気に裏返るぞ。

重心を前後に移動させるには腹筋を使わなくてはいけない。それと時々呼吸を止めてふんばらないとな。

ちょっとキツイけどしばらくの辛抱だ。よいしょっ、こらしょ・・・。

ふんっ・・・、ふんっ・・・。(ぷぅっ

屁が出ちまった。

両手がふさがってるから、かかとで鼻をつまんだよ。
2012/03/06 09:42|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

冬の夜の楽しみ(その5)

ああ、田代だよ。

前後のグラインドが大きくなってきた。もうそろそろいいかもな。

尻にすべての重心を預け、頭を前へ突き出すんだ。それっ!

っと、すごい音とともに火花が散ったよ。床に思いきり頭を打ち付けたんだ。

だっておいら両手ふさがってるしな。

でも自力でやってのけたよ、見事に裏返りの成功だ。



いや待てよ、さっきまでの状態が裏だとしたら表返りじゃねえのか?

上を向くのと下を向くのではどっちが人間の表なんだろう。

天に顔向けりゃ地に背を向け、地に顔向けりゃ天に背く。

所詮人間はどっちつかずの愚かな動物なのさ。必ず罰が当たるようになっている。

今が天に背を向けているから、きっとこれは天罰だ。ああ痛え痛え。

金色の妖精たちがチカチカと暗闇の中を舞い降りてきたよ。

お迎えかな・・・。
2012/03/07 18:20|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

冬の夜の楽しみ(その6)

うんにゃ、田代だよ。

突然鼻の穴が熱くなってきた。呼吸も苦しいよ。

このままじゃあ窒息しちまうぜ、たぶん鼻血も出てるんだろうな。

でもここで手を離したらせっかくのやすらぎが台無しになっちまう。

なんとかして鼻血を止めないとな。

両手両足を左右にゆすぶって後ずさりしてみたよ。

美しいフォームだろ。まるでアゲハ蝶の羽ばたきみたいだ。



左右対称の完璧なボディーはハナを求めさまよう。

羽をゆするたびに舞い上がる鱗粉は金の粉。まだ暗闇でチカチカ回っているよ。

床にこぼれたインクはおいらの転写。ロールシャッハが教えてくれるのさ。

やっと蜜にたどり着いたよ。さあゆっくりと顔を持ち上げごらん。

ああ、黄色い鼻汁が糸を引いてるぜ。
2012/03/08 21:02|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

冬の夜の楽しみ(その7)

ぽぴぽぴにゃぁ~、田代だよ。

鼻汁の糸はなかなか切れないもんだな。結構な粘度だ、しぶといやつさ。

芥川ならこれが天国につながってるんだが、こっちは地獄につながってるかも。

糸をたどって悪人たちががどんどん登ってくる。

そんなにいっぺんにたくさんぶらさがるんじゃねえよ。重い重い。

なんとかしてこのつながりを断たねえとな。



もちろん、ティッシュなんか使わねえよ。

どうせ世間一般の生ぬるい人間たちは、エコだのエロだの言いながらティッシュを引っ張り出すんだろ?

情けねえ、メッシ以下だな・・・。

資源を無駄遣いすんじゃねえよ、手鼻かめっつぅーの!

よくみてごらん、サッカー選手だって試合中に手鼻かんでるよ。

あのメッシだってそう、若いのに器用なもんだ。おいらの若いころにそっくりだい。

手がふさがってたって大丈夫。

こおやって、かかとをくっつけて片方の鼻をふさぐんだ。

ふんっ!それ、もう片方も。ふんっ!

どんなもんだい、おいら足鼻かんじまったぜい。メッシ以上確定のバロンドールだよ。

ああ、唇についちまった深海の味が舌にしみるぜ。
2012/03/10 09:13|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

冬の夜の楽しみ(その8)

ちょりぃ~っす、田代だよ。

落ち着いてきたら尻のあたりがむず痒くなってきたんだ。

掻きたくっても手足がふさがってるからしょうがねえ。ああイライラするぜ。

ま、生ぬるい世間で暮らす一般人だったら、ここですぐに手を離すんだろうな。

おれみたいなメッシ以上確定のバロンドールなら、どんな状況でもあきらめはしねえ。

じっと唇をかみしめながら考えるんだ。ああ、しょっぺえ。



足のかかともどうやら鼻までしかとどかねえ。

人間にもう一本手があったらなんて考えてる今時分さ。

尻の近くだから、いっそしっぽが生えてくれりゃいいのにな。

四足の動物たちが尻についたハエをしっぽで追い払うのを見たことがあるだろ?

あんなところにまで神経が通って動かすことができるんだと思うと、感動通り越して尊敬に変わっちゃうぜ。

ほうら、アイデアがわいてきた。やっぱおいら頭いいな。

人間だって動物の仲間だってこと、何度も口を酸っぱくして言ってるじゃねえか。

いや、まだしょっぺえな・・・。
2012/03/11 09:44|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

冬の夜の楽しみ(その9)

はいはい、田代だよ。

おいら男だ。ついてるもんはちゃあんとついてるぜ。

そっちじゃねえよ、こっちだよこっち!

男にゃしっぽみたいに動くものがついてるじゃねえか。神経だって通ってる。

伸びたり縮んだりする優れものなんだ、これを使わない手はねえよ。

こいつをゆっくりと伸ばして、尻たぶに沿わせてゆくんだ。

痒い部分にピンポイントで動かすのさ、おれって頭いいだろ?




さあ伸びろ、おれの中のイモムシくん。遠慮なんかしないでいいよ。

脳にはキッチリ指令を送るから任せておくれ。ドーパミン御免の暗号さ。

大脳皮質のスクリーンに映し出されるは禁断のエロチシズム。

OH、モーレツ!

見えすぎちゃってぇ~、困るわぁん!

だっちゅぅーのっ、むぎゅ!

角野卓造じゃねえよ!や・め・て・よ・ぉ!

ど、どうしたイモムシくん。おいらの気力が足りないのかっ!

これでどうだ、ふんっ!ふんっ!(ぷりりっ

しまった、肛門からサナギが顔を出したよ。
2012/03/12 09:03|冬の夜の楽しみTB:0CM:4

冬の夜の楽しみ(その10)

あんにょーん、田代だよ。

まだ尻たぶがかゆいよ。なんとかして掻きたいところさ。

それにしてもサナギが邪魔だ。引っ込めないとな。

ま、生ぬるい世間で暮らす一般人にゃあ無理だろうが、テクニシャンのおいらなら可能なのさ。

これでもメッシ以上確定のバロンドールだぜ。全意識を肛門括約筋に集中するんだ。

通常とは逆に動かすことが重要さ、無足動物が繊毛運動で食物を飲み込むように。

よおし、収納完了!あとはかゆい尻たぶをどこかにこすりつけないとな。



関平ちゃんの「かいーの」ってギャグを知ってるか?

柱に尻をこすりつけるやつだ。笑いごとじゃねえよ、こちとら本気なんだぜ。

おいら両手両足をバタフライ、羽ばたきながら後ずさって柱にたどりついたよ。

ここからが難しい、頭を床につけて尻を持ち上げるんだ。

尻を柱に登らせてかゆい部分に角を当てないといけない。

ああ、頭がズキズキする。どうやらたんこぶができてるようだ。

ふう、なんとかピンポイントに柱の角にたどりついたよ。

尻を持ち上げた角度はだいたい45度くらいかな?

おいらの身体を一辺とする直角二等辺三角形の完成だ。
2012/03/13 09:29|冬の夜の楽しみTB:0CM:4

冬の夜の楽しみ(その11)

ちわーっす、田代だよ。

左右のバランスを小刻みに動かして尻たぶを掻くことができたよ。

ああ、心地いいなあ。いっそこのまま眠りにつきたいくらいだ。

でもなんか臭いぞ、くんくん・・・。

どうやらさっきのサナギがその痕跡をパンツに残していったようだ。

あっ、今なんか気持ちよくなったぞ?

そうか、おいらのイモムシくんが柱の角にちょっぴり触れたみたい。

よしよし、そんなに柱が恋しいならもう少し登ってやろうか。



うんしょ、うんしょ。

尻と柱の角度がだんだん鋭角になってゆくよ。ああ気持ちいい。

大脳皮質のスクリーンも自然に官能映像へと切り替わる。

OH、モーレツ!

見えすぎちゃってぇ~、困るわぁん!

だっちゅぅーのっ、むぎゅ!

亀井静香じゃねえよ!う・れ・し・い~

うわっ!!

柱と身体がぴたりと平行になったとき、おいらの身体が頭を軸にひっくり返っちまった。

着地の衝撃にサナギが慌てて飛び出したよ。
2012/03/14 09:41|冬の夜の楽しみTB:0CM:4

冬の夜の楽しみ(その12)

おれだ、田代だよ。

また元の仰向けの状態になっちまった。それでも手足はちゃんと耳たぶにある。

背中を曲げてゆっくりと転がるようにしたから大丈夫さ。学習能力あるんだよ、頭いいだろ?

身体がひっくりかえる瞬間、いろんなことが頭の中を巡ったよ。

過去の記憶が走馬灯のように次々とスライドしたんだ。

弧を描いて倒れこんだ尻の、強烈なサナギの残り香とともに。



そろそろ脱皮の時期なんだろう。もう春が近づいているって証拠さ。

大きく息を吸ってごらん。ほら春の香りが漂ってくるだろ?

いや、まだ臭え臭え。

両手両足の羽を広げて周りの空気をかきまぜてみよう。ゆっくりでいいんだ。

縦に動かすのが羽ばたきってやつさ。大きく動かせば宙に舞い上がるはず。

さあ、新しい世界への旅立ちだ。

カーテンの隙間から漏れた日差しがおいらを迎えにきているよ。

ああ、朝になっちまった。

(完)
2012/03/15 09:51|冬の夜の楽しみTB:0CM:2

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